肝臓の悩み
肝臓の働きは複雑で、体に必要な栄養素の分解や合成、侵入してきた毒性物質の解毒など、およそ600種類の働きをしてくれています。しかも肝臓は実に働き者で、少々のトラブルが起こっても体に気付かれないように働き続けます。つまり、症状が出たときはかなり悪くなっているというサイン。これが肝臓病の怖さでもあるのです。
肝臓の中ではそれぞれの働きに応じて、たくさんの酵素が忙しく働き回っています。その数は膨大で5000~6000の酵素が関わっていると言われています。この酵素をつくったり、正しくコントロールしたりと、酵素の働きの要になっているのが「ミネラル」なのです。つまりミネラルが不足すると、酵素の働きはにぶり、肝臓の様々な機能が低下してしまうのです。
肝臓の機能が低下すると、まず「疲れやすい」「風邪を引きやすい」「朝起きるのが辛い」といった症状が現れます。この段階では、GOTやGPTといった肝機能を示す数値は正常の範囲内なので、健康診断を受けても「健康」と診断されてしまいます。これを放置しておくと、次第に数値が変化し始め、「要注意」と診断されたときはすでに肝機能障害に至っているのです。
残念なことに、この肝臓病に効く特効薬は未だに開発されておらず、治療は安静療法と食事療法が基本。最新の食事療法では「高ミネラル療法」が積極的に取り入れられるようになってきました。
牡蠣やシジミ、アサリなど、昔から肝臓に良いとされてきた食べ物に、豊富なミネラルが含まれていることも納得のいく話しなわけです。また、牡蠣に多く含まれる天然成分「タウリン」や、その還元型である「ハイポタウリン」などは、胆汁分泌促進作用、肝機能促進作用を持ち、強力な解毒作用を促すことも知られています。