ミネラルが失われた食生活
ミネラルが不足する大きな原因は、食事の「質」にあります。ミネラルはもともと土俵に含まれるもので、人間の体の中で作ることはできません。土俵で育つ植物やそれを食べる動物、さらにはより豊富なミネラルのプールである海で育つ魚介、貝、海草を食べる事で、ミネラルを摂っているのです。
日本人は昔から、海の幸や野菜といった自然の恵みを主な食料としてきました。これが「昔ながらの食事」が理想的だと言われる由縁です。
しかしながら、世はまさに飽食の時代。精製食品、加工食品、ファーストフード、さらには過剰なダイエットなど、「食の偏り」によってミネラルの摂取も偏る一方です。そして、「昔ながらの食事」をしても、十分なミネラルをバランスよく摂取することが難しい時代でもあるのです。
日本の土俵はもともとカルシウムなどのミネラルが少なく、その上、毎年同じ場所で繰り返し栽培が行われるので、土はミネラル不足になるばかり。また、肥沃な土俵でできたお米でも、白米に精製されヌカとしてミネラルの大半が捨てられてしまうのです。最近見直されてきた塩のニガリも同じ事。ミネラルをたっぷり含んだ天然の塩なら、多少の摂りすぎでは高血圧の要因にもなり難しいのです。
このように、普段の食生活で十分なミネラルバランスを良く摂る事は、とても難しい事なのです。
ミネラルの主な種類と働き
名称 | 化学記号 | 生理作用 |
---|---|---|
カルシウム | Ca | 骨・歯を作る。血液の凝固を早める。神経系の情報伝達に関与。 |
鉄 | Fe | 血液中のヘモグロビンを作る。エネルギー生産に関与。 |
リン | P | 骨・歯を作る。糖質代謝に関与。 |
マグネシウム | Mg | 骨・歯を作る。糖代謝の酵素作用に働く。神経、筋肉の機能に関与。 |
ナトリウム | Na | 血液、リンパ液のの成分。神経や筋肉の興奮を鎮める。 |
カリウム | K | 心臓や筋肉の機能調節。 |
胴 | Cu | ヘモグロビンの形成に関与。抗活性酸素など多くの酸素を作る。 |
ヨウ素 | I | 甲状腺ホルモンを作る。新陳代謝を調節。 |
マンガン | Mn | 発育を促進。生殖作用や血液を作るのに関与。 |
セレン | Se | 抗活性酸素を作る。ビタミンEと共に抗ガン作用に働く。 |
塩素 | Cl | 消化を促進。pHの調節、殺菌、膵液の分泌促進に働く。 |
亜鉛 | Zn | 消化、代謝、生殖、治癒に関する多くの酸素に必須。 |
クロム | Cr | インスリンの働きを助け、糖代謝、脂質代謝を促進。 |
塩素 | Mo | 補酵素として、脂肪、核酸、硫黄の代謝の終末に働く。 |